南海トラフ地震臨時情報とは

2024年8月8日に「南海トラフ地震臨時情報」が発表され、多くの人が驚かれたことでしょう。この情報は、南海トラフ沿いでの地震活動が活発化していると判断された際に、住民に対して防災対策を呼びかける目的で発表されるものです。
ここでは、南海トラフ地震臨時情報について解説します。

南海トラフ地震津波に注意
プレートの動き
出典 : 気象庁|南海トラフ地震について https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/nteq/nteq.html

まず、南海トラフ地震について簡単に説明します。
上図をご覧ください。フィリピン海プレートは年に約3~5cmの速度で、日本の下に潜り込んでいます。この潜り込んでいる場所が南海トラフです。

このとき、プレートの境界が固く結びついて、陸側のプレートが地下に引っ張られ、ひずみがたまります。そして、ひずみが限界に達して陸側のプレートが跳ね上がることで、南海トラフ地震が発生します。
このプロセスが繰り返されるため、南海トラフ地震も繰り返し起こります。

南海トラフ臨時情報
出典:内閣府 南海トラフ地震臨時情報 https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/rinji/index3.html

南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで異常現象が観測されたり、地震の可能性が高まった場合に発表され重要な警戒情報です。
この情報は、以下の4つのキーワードを伴って発表されます。

  • 調査中
  • 巨大地震警戒
  • 巨大地震注意
  • 調査終了

次に、それぞれの意味を簡単に解説します

1. 「調査中」の場合

「調査中」とは、南海トラフ沿いで異常が観測された場合に、地震の発生可能性を評価する段階です。この時点では、まだ具体的な地震が予測されているわけではありませんが、以下の準備を進めておきましょう

  • 防災用品の見直し
    非常食や水、懐中電灯、携帯電話の充電器、薬などの防災用品を点検します。必要があれば早めに補充しておきましょう。
  • 家具の安全対策
    大きな家具や家電が倒れたり、物が落下したりしないように、固定具を使って安全を確保します。
  • 避難経路の確認
    自宅周辺の避難所や避難ルートを家族で確認し、緊急時にどう行動するかを話し合います。避難場所は地図を確認しておくと安心です。
  • 家族との連絡手段の確保
    災害時に連絡が取れなくなることを想定し、家族や友人との連絡方法や集合場所を決めておきましょう。電話がつながりにくくなる可能性があるため、複数の手段を確保しておくと便利です。

2. 「巨大地震注意」の場合

「巨大地震注意」が発表された場合、南海トラフ沿いで地震が発生するリスクが高まっていることを意味します。具体的な地震対策を講じることが求められます。

  • 避難バッグの準備
    貴重品や衣類、非常食、飲み物、常備薬などを含む避難バッグを用意し、いつでも持ち出せるように玄関付近に置いておきましょう。
  • ガスや電気の点検
    万が一の火災やガス漏れを防ぐため、家の中のガス栓や電気のスイッチを確認し、必要に応じてすぐに切れるように準備しておきます。
  • 車の燃料補充
    避難時に車を使う場合に備えて、ガソリンは常に満タンにしておくことが推奨されます。災害後は燃料供給が難しくなることがあるため、早めの補充が大切です。

3. 「巨大地震警戒」の場合

巨大地震警戒」が発表された場合は、直ちに避難する準備が必要です。地震が発生する可能性が非常に高い状況です。

  • 速やかな避難準備
    緊急時にすぐに家を出られるように、避難バッグや防災用品を準備し、家族と共に避難の準備を整えます。室内にいる場合は、安全な場所に移動し、頭を保護することを忘れずに。
  • 緊急情報の確認
    テレビ、ラジオ、インターネットなどを通じて、最新の地震情報や避難指示を常にチェックし、状況に応じて行動しましょう。特に自治体からの指示が出た場合は、速やかに従いましょう。
  • 避難所への避難も視野に
    安全な場所に避難する必要がある場合は、早めに避難を開始することを考慮しましょう。特に沿岸部や山間部に住んでいる場合、津波や土砂災害の危険性が高まるため、迅速な行動が求められます。

4. 「調査終了」の場合

「調査終了」が発表された場合は、南海トラフ沿いの地震活動が一旦落ち着いたことを示します。しかし、引き続き注意が必要です。

  • 防災対策の見直し
    地震や津波のリスクは完全に消えたわけではないため、防災用品や避難計画の再確認を行い、次に備えておくことが重要です。
  • 余震に備える
    大規模な地震の後には余震が続くことがあるため、家具の転倒防止や避難準備は継続的に行いましょう。

南海トラフ地震に限らず、日頃から地震や災害への備えを怠らないことが重要です。

  • 防災意識を高める
    家族や地域の防災訓練に参加し、災害時にどう行動すべきかを事前に理解しておきましょう。
  • 地域の支援体制を活用
    自治体や近隣住民との連携を強化し、災害時にお互いに助け合える体制を構築しておくと、いざというときにスムーズに対応できます。

南海トラフ地震臨時情報が発表された際には、状況に応じて冷静に行動し、家族と共に安全を確保することが最優先です。それぞれの段階で準備を進め、万全の体制を整えることが、巨大地震に対する最善の備えと言えるでしょう。

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